行くしかないじゃん

ただの日記

劇団朱雀に元気をもらった話

劇団朱雀の復活公演を見に行きました。

 

とある映像作品で早乙女太一という役者さんを知って、とある舞台を見に行って、彼の一挙一動に圧倒されてしまって、なんだろう、ファンというか、そこまでしっかり追っていないからファンというのもおこがましいのだけれど、とにかく、彼が見たくて劇場に行った。

 

ほんとにここ数年の話なので、劇団朱雀が解散した頃、私はその存在を知らなかったし、知らなかったから見に行ったこともなかった。そもそも舞台作品に触れるようになったのもここ4年くらいの話なので、大衆演劇というものを見るのは、この日が初めてだった。

 

初めてだから当たり前と言われてしまえばそうなのかもしれないけれど、初めての体験ばかりで。なんと表現するのが正しいのかもわからないけれど、一部の舞踊も、二部のお芝居も、とてもおもしろくて、圧倒されて、三部も一緒に盛り上がって楽しんで、殺陣にはやっぱり圧倒されて、ああここが早乙女太一のホームだったんだなって知って、なんだかよくわからないけど、すごくいいなって思った。特に三部は全力でアクセル踏んでるみたいで、とてつもないエネルギーがガンガンに伝わってきた。

 

それで、カーテンコール。楽しかったな、素敵なものを見せてもらったなって拍手して。
早乙女太一が自分で幕をするすると引いて、下手の端っこ、ほんとにあとは自分の身体の分幕を引けば終わりっていうところで言った言葉が
「みなさんもお仕事頑張ってください!」
だった。

もうその瞬間に心がぶわって熱くなって、驚いて、だからもしかしたら口調は違うかもしれない。でも、仕事頑張れって言われたことは確かで。

なんか、この一言が無性に忘れられない(いや忘れてるんだけど、そういう意味でなく)。

 

なにがよかったか、なんてことを言うのも無粋な気がするけれど、これが大衆演劇のあり方なのだろうなと思った。
仕事って、別にしんどいだけが仕事じゃないけど、でも、大勢の人にとって娯楽とは反対に位置する存在で、だから私たちは娯楽を探して、そうして大衆演劇ないしは劇団朱雀にたどり着いた人たちがあそこには集まっていたんだと思う。

 

仕事って言ったけど、家事も育児も介護も学業も他のいろいろなものも、そこには詰まってたのかな、と。
早乙女太一が言ったので彼の言葉としてとらえるけど、彼は、彼らの演劇が、私たちにとって娯楽であるということを理解していて、だからこそのあの発言だったのかなと思った。

 

娯楽が娯楽として成り立つのって本当に素晴らしいなって思ったんだよね。
日頃いろんなしんどいことがあって、でも劇団朱雀を見ている間は楽しくて、幸せをもらって、その人から仕事頑張って!って言われる。
そりゃ頑張れるよ。早乙女太一に応援されたんだもん。
こんなに楽しくてきらきらしているものが世の中にはあるんだから、明日からも生きていこうって、そう思うよ。


ステージに立つ人たちの言葉って、ときにとてつもないエネルギーを発することがあって。
こんな文章では表せない。あのときの場を共有しているからこそ得られるおおきなエネルギーを、胸にかかえて、私は今日も仕事をします。

 

また、会いにいきたい。